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おなかにやさしい食品の構造と物性

研究内容
生物進化の観点から、口から肛門に至るまでの消化管は最も原始的かつ根源的な器官である。外観やにおいといった視覚や嗅覚を頼りに脳によって食物を見分けることに不思議を感じないが、消化管は取り込まれるものをどのように感知しているのか?本分野は、食べ物に本来備わっているどのような情報を口腔内や腸管内でどのように感知しているのかについて生化学、分子・細胞生物学の手法を用いて解析し、我々に相応しい食べ物のあり方を考究することを目的にしている

[T]呈味タンパク質の構造機能解析

甘味を呈するタンパク質の機能特性を解明して食品素材の有効利用の道を拓く

[U]腸管免疫と粘膜作用性化合物の構造と物性

「内なる外」である腸管内における安全-危険を識別する機構を探る

[V]食品多糖類・タンパク質の構造とゲル物性への応用

高分子ポリマーの構造特性を活かしてゲル素材を開発する


[T] 呈味タンパク質の構造機能解析

ソーマチンというタンパク質は、ショ糖に比べてモル比で10万倍、重量比で3千倍と非常に強い甘味を呈する。甘味受容体T1R2-T1R3を介して化合物の甘味情報が伝達されることが知られているが、高分子の甘味タンパク質の作用機作は不明である。従来からの官能検査だけでなく、甘味受容体を発現させた細胞評価系を用いて、甘味タンパク質の結合様式を研究し、新規な甘味料のデザインにつなげる。 また、苦味受容体の発現細胞を構築し苦味を抑える物質を探索している。

[U] 腸管免疫と粘膜作用性化合物の構造と物性

免疫恒常性を維持するために制御性機能をもつ免疫細胞というものがある。この制御型免疫細胞は、異物と遭遇する末梢組織、特に消化管においては重要な存在である。また、我々は莫大な数の腸内細菌と共生しているが、相利共生においても免疫系が制御されなければならない。食品や腸内細菌の生物素材には必ず存在するストレスタンパク質に応答する免疫細胞の制御的機能について解析している。この制御型免疫細胞の特質に着目して、アレルギーや糖尿病などの予防につなげる食のあり方を探る。

[V] 食品多糖類・タンパク質の構造とゲル物性への応用

デンプンなどの食品多糖類は親水性の高分子ポリマーであり、タンパク質や核酸、脂質などと相互作用することでさまざまな物性を発現する。その相互作用をコントロールすることによって粘膜組織に有効にはたらく素材の創製を目指す。